ブログ更新が滞っている間に、新たな取り組みを始めています。
とあるホームケアさんから処方箋を受ける事になり、早1〜2年経ちました。
一度に10人分くらいを受けさせて頂いています。
木曜日の往診後に施設の職員さんから処方箋があおば薬局にFAXされてきます。
それが夕方の4時半以降から来るものですから、調剤が超混雑する訳です。
認知症の方がほとんどの施設ですから、基本的には一包化しています。
当然嚥下困難な方には、粉砕指示がありますので、調剤に手間と時間がかかり、リスクも上がります。
この時間帯にきたら、ほぼ残業確定。服薬指導までにするには、
6時半ごろまでかかってしまいます。
「もう少しはやくFAXこないかなぁ」
「FAXくらいすぐできなかなぁ」
という声が薬剤師の中にありましたね。
「薬局でグダグタ言うくらいなら、実際に私たちが施設に行ってみよう」という事に・・・
それで、往診している医師と施設にお願いし、往診へ薬剤師同が同行する事になりました。
言いだしっぺの富士さんがまず行くことになりました。
何をするのか手探りです。
「ここで何もできなかったら・・・、薬剤師として在宅、施設にでる意義が無くなる・・・。」
「医師や看護師のスタッフに認知される事できるかどうか??」
「おい!!お前に何が出来る??」
「いや、何をするかが大事なんだ」
と自問自答しながら、いざ往診出発。
施設につくと医師・看護師の皆さんは、さっと診察に取り掛かる。
バイタルサイン講習会で学んだスキルを活かすにも、バイタルは看護師さんが取っている。
「・・・・う〜ん・・・、私ってどうすればいいんだ?? 利用者さんの名前もわからないぞぉぉおお」
「薬剤師は、薬の専門家だぞぉぉぉおおお」
と現場でうろうろですよ。心の中でこんな事ばかり叫んでいた。
まずは、難しい事はさておき、コミュニケーションだよね。
そうすると、一人の女性の利用者さんFさんが、
「あんた、男前!! 名前なんて言うの」
と声をかけて頂いた。(私、男前と違いますよ)
「私、富士さんって言いますねん。今日からよろしくお願いしますぅ」
すると、名札を見て
「あおば薬局、薬剤師、奥さんいるの?、年いくつ?」と質問攻め
ややうろたえつつも、」
「43歳で嫁さんと子供3人いてますねん」
「ほう・・3人・・、がんばったなぁ」
なんていいながら、もともとおばあちゃん子の私は、そのFさんがかわいく思えてきた。
そうすると、施設の方から
「Fさんは、普段そんな事言わないのよ。めずらしいねぇ」と言って下さった。
やっぱり来てよかったんだ。
処方箋からは、見えなかった患者様の顔。
処方箋からは、病気が推測できても、顔や声なんて全く分からなかった。
そうしたら興味がどんどん湧いてくる。
薬の服薬状況、嚥下の具合、普段の表情、食事・排便・睡眠の具合など
手際は、よく無いがなんとなく活路が見えてきた。
そうこうしている間にも医師の診察が進んでいる。
そこにも付いて行く。医師と看護師と施設さんの会話にも聞き入る。
「この方は、C肝あるから引っかかれないようにね」なんても
メモする。
でもついて行けない。
初日は、こんな感じで終わってしましました。
運のいいことに、この日は、処方日では無かったので、臨時処方のみであった。
無力感を感じつつ初回の往診同行が終わった。
帰ってきたのが、3時半ごろ。
調剤は、いつもより1時間早く取り掛かれた。
薬歴には、バイタルサインやこの日の注意点、服薬状況、体調、副作用などなど書き込み
次回につなげるコメントを書いた。
最近、在宅から離れていた私にとって、
「やっぱり在宅って魅力的なのだ」
「ひとの役に立ちたいのだ」
「薬剤師の意義を高めるのだ」
決して独りよがりの自己満足にならなようにと決意した暗中模索の1日目でした。
次回は、定期処方日の同行、ちょっとは役立てたケースを紹介します。